高原淳著『写真家的文章作成技法』

 「文章が書けない」という悩みは、自覚症状がある限り、極めて「正常」な反応です。むしろ、自分の文章に何の疑いも持たず、伝わらない言葉を垂れ流してしまうことこそが、コミュニケーションにおける真の危うさと言えるでしょう。クナウパブリッシング(発刊当時の社名はソーゴー印刷)の代表取締役であり、現役のフォトグラファーとしても活動する高原淳が贈る『写真家的文章作成技法』は、そんな「書くこと」に苦手意識を持つすべての人に寄り添い、わずか3週間で「書ける喜び」を実感させるための画期的なトレーニング・ガイドです。
 本書が提唱するのは、技術論に終始する従来の文章術ではありません。被写体にカメラを向け、シャッターを押せば誰でも写真が撮れるように、文章もまた、目の前の光景を切り取るように書けば良いという、直感的かつ本質的なアプローチを提示しています。
 著者自身、かつては一本の原稿を書き上げるのに時間を要し、周囲からは「即物的すぎる」と指摘された経験を持つ、いわば「書けなかった側」の人間です。だからこそ、書けない人の痛みが理解でき、書けるようになるための具体的な「逃げ道」と「攻略法」が満載されています。例えば、彩色を加えず素材の味だけで勝負する「素書き」の推奨、あるいは、あえて小学生のような純粋な視点に立ち返る「コドモディティ化」といった技法は、賢く見せようとして筆が止まってしまう現代人の肩の力を、心地よく抜いてくれることでしょう。また、文章にリズムを生むための語尾の「さばき方」や、接続詞を大胆に間引くことで生まれるスピード感など、プロのライターとしても活動する著者ならではの視覚的な推敲術は、読む人の視線を一気に引き込む「伝わる文章」への最短ルートを示しています。
 本書の魅力は、その独特の語り口にもあります。経営者としての冷徹な分析眼を持ちながらも、随所に散りばめられたダジャレや、大好物の「牡蠣」に例えた強引な論理展開、そして自らの失敗談をさらけ出す潔さ。これらはすべて、著者が提唱する「文章のカジュアル化」の実践であり、読み手との心理的距離を縮めるための高度な技術でもあります。「です・ます調」の中に時折混ぜられる力強い「だ・である」の響きは、無機質な情報伝達を、血の通った「対話」へと昇華させます。こうした人間味あふれる表現こそが、AI時代において最も求められる「個の文体」を形作るのです。
 特別な文才は必要ありません。ただ、自分を信じて「書ける」と思い込むことからすべては始まります。3週間後、あなたの手から生み出される文章は、霧が晴れたような透明度を持ち、読み手の心に心地よい風を吹き込んでいるはず。自分史を綴りたいシニア世代から、就職活動で自己を表現したい学生、そして日々のビジネスメールに苦闘するビジネスパーソンまで。この『写真家的文章作成技法』を手に取り、言葉というレンズを通して、あなただけの素晴らしい世界を鮮やかに写し出してみてはいかがでしょうか。

書名:写真家的文章作成技法(クナウこぞう文庫)」
著者:高原淳
仕様:文庫版 212頁
発行日:2018年6月15日
価格 : 748円(税込)

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※イメージ画像はAIを使って生成しました。